Weapon (武器)


ミスリルソード (Mithril Sword)

(白銀の剣:ファントムオブキル)

 


 

ミスリルソードは

“ミスリル銀”で作られた剣。

 

 

ミスリル銀とは

英国の作家トールキンが描く

「指輪物語」に登場する

鋼よりも強く特別な力を持つとされる

架空の金属である。

 

 

元来、銀は柔らかい金属なので

武器には適さない金属なのだが

吸血鬼や狼男などの

民話や伝説を元にした

ファンタジーの世界では

退魔の力があるとされてきた。

 

 

なので武器名の頭に

「銀の~」などがつくと

鉄や鋼鉄よりも

攻撃力が強い場合が多い。

 

 

指輪物語の中で描かれる

このミスリル銀の性質は

 

ガラスのように磨ける。

銀のような美しさだが、

黒ずみ曇ることがない。

鋼より軽い。なのに鋼より強い。

 

そしてこの金属を鍛えられるのは

ドワーフだけである、とのこと。

 

 

この物語が作られた当時は

あくまで架空の金属だっただろうが

実は現代においては

これと酷似した性質の金属がある。

 

 

それはチタン (Titan。元素記号 Ti) である。

 

 

2つの共通点だが

まずは外観について

  

『ミスリル』の語源は

〝灰色を意味するミス(mith)〟

+〝輝きを意味するリル(ril)〟

の2つの言葉で構成されている

  

そしてチタンだが、その外観は

鋼と似た色合いの銀灰色の光沢を持つ

 

 

次にチタンの 金属的な性質について

 

白金や金とほぼ同等の

強い耐食性を持つため錆びず、

 

光触媒効果により

表面の汚れ(剣で言えば血のり)

などを容易に取り除ける。

 

鋼鉄以上の強度を持つ一方、

質量は鋼鉄の約半分と非常に軽い。

  

 

以上、チタンの外観および性質において

先に挙げたミスリルと

非常に似通っているのがわかる 

 

  

さらにこのチタンという金属、

万能な性質を持つ一方で

製錬・加工が難しく

費用もかかるため

大量には使われていない。

 

 …というデメリット面においても

「ドワーフしか鍛えられない」

というミスリル銀と似通っている。

 

 

ちなみにこの神が作り出したような

金属・チタンは

ギリシア神話の神「タイタン」

に因んで

ティタン(チタン)と命名された。

 

 

1910年にアメリカの化学者

マシュー・A・ハンターは、

チタンを高純度 (99.9%) で

分離することに成功したのだが、

  

それが実際に金属材料として

実用可能になり始めたのは

それより30年以上先の

1946年あたりから。

  

つまりトールキンが

指輪物語を書き始めた1937年頃は

まだチタンは未実現の夢の金属、

という段階だったはずである。

 

その後

1950年代-1960年代の冷戦で

ソ連とアメリカ軍が

チタン所有を巡っての

猛烈なせめぎ合いをするのだが…

 

   

はたしてトールキンは執筆当時、

チタンの存在自体は

知っていたのだろうか?

 

 

トールキンが

チタンが実用化される前から

その存在を知っていて

それをミスリル銀のモデルにしたのか。

  

それとも全く知らずに

まるで後のチタンの出現を

予言するかのように

ミスリル銀

という金属を創作したのか。

 

真相はわからない。

 

 

しかし現代のRPGの世界においては

「ミスリル」という言葉は

まるで実在する物質かのように

非常に多くの作品で使われている。

 

 

同様に「白銀の」という言葉も

多く武器名に付けられているが

意味的には銀と一緒で、

白銀=銀である。

プラチナ(白金)ではないので

誤解のないように。

 

 

これらの武器は

いずれの作品においても

  

ハイグレードな通常武器

(はがねのつるぎやグレートアクスなど)

よりも上位に位置し

 

そして伝説の武器

(聖剣や魔剣など)

よりは下位

 

つまり両者の間くらいの強さに

ランク付けされている。

 

 


 

登場RPG作品

 

ミスリルソード (ファイナルファンタジー)

ミスリルソード (グランブルーファンタジー)

ミスリルソード (ロードオブワルキューレ)

白銀の剣 (ファントム オブ キル)

白銀の剣 (ロマンシング サガ)

銀の剣 (ファイアーエムブレム)

ホワイトソード (ゼルダの伝説)